映画の歴史を変えた『ワンダーウーマン』、何がそんなにスゴいのか?

わたしたちは今、歴史的瞬間に立ち会っている。映画『ワンダーウーマン』が、いよいよ8月25日に日本に上陸するのだ。映画が公開されるくらいで何を大げさな……と言われそうだが、ちょっと待ってほしい。すでに『ワンダーウーマン』は、まぎれもなく“歴史を変えてしまった映画”なのである。

ガル・ガドット主演、パティ・ジェンキンス監督という女性タッグによって描かれる本作『ワンダーウーマン』は、バットマンやスーパーマン、ハーレイ・クインなどでおなじみDCコミックスを原作とした新たなヒーロー映画だ。なんとこの映画、全米では実写版『美女と野獣』に次いで2017年公開映画で第2位(2017年7月25日時点)のメガヒットを記録。女性監督による実写映画としては史上最高の興行成績を打ち立てている。これまでハリウッドでにわかにささやかれてきた「女性主人公、女性監督の映画はヒットしない」というジンクスは本作で完全に覆されたのだ。

しかしそんな『ワンダーウーマン』も、やはり当初はさほど期待されていない作品だった。では、そんな映画がなぜ空前の大ヒットを果たし、人々に愛されるようになったのか? その偉業の経緯や海外でのリアクションをご紹介しよう。

DCエクステンデッド・ユニバース、受難の歴史

映画『ワンダーウーマン』は、ワーナー・ブラザースとDCコミックスが手がける「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」なる作品群の最新作だ。第1作は2013年『マン・オブ・スティール』、第2作は2016年『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』、第3作はハーレイ・クインの登場で話題となった2016年『スーサイド・スクワッド』。『ワンダーウーマン』は、その第4作目としてスクリーンにお目見えを果たすのである。

しかし、そんなDCEUの過去3作品には、ある不名誉な共通点があった。それは「ヒットはするが評価が芳しくない」ということだ。もちろん各作品で、作り手たちはそれぞれの作家性をしっかりと発揮し、映画は一定のファンをきちんと生んでいる。しかし辛口批評で知られるウェブサイト「Rotten Tomatoes」をはじめ、批評家や映画ファンたちはこれまで3作品にかなり厳しい評価を下してきた……。

おそらくその影響もあったのだろう、新作『ワンダーウーマン』も米国の映画メディアや批評家、映画ファンからはあまり期待されない傾向にあった。「女性主人公・女性監督の映画はヒットしない」というジンクスゆえか、ワーナー社もDCEU史上最低の製作費(約1億4,900万ドル)で本作の製作に乗り出していたのである。

試写会で大絶賛!突然の追い風に

そんな風向きがいきなり変わったのは、『ワンダーウーマン』の試写会がアメリカで始まった2017年5月のことだった。試写会を観た現地メディアの記者や関係者たちが、こぞって本作を絶賛しはじめたのである。

「サイコーに面白い」「DCEUでぶっちぎりの1位」「これがわたしの観たかったヒーロー映画」「エキサイティングで愉快、カッコいい」。よく練られた脚本やダイナミックなアクションシーン、それでいて繊細な人物描写、またガル・ガドットとクリス・パイン(スティーブ・トレバー役)のコンビネーションには賞賛の声が数多く寄せられた。DCEUにとって鬼門であった「Rotten Tomatoes」でも、劇場公開前に満足度96%というハイスコアを獲得している。

そして、こうした声はすぐに映画ファンへと届き、さらには一般の観客にもたちまち広がっていったのである。

記録更新連発、『ワンダーウーマン』快進撃!

© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

2017年6月2日、『ワンダーウーマン』は全米にて劇場公開された。すると公開直後の週末(6月2~4日)に、早くも女性監督作品としては史上最高のオープニング記録である1億50万ドルという興行成績を叩き出している。公開以前には「1億ドルは厳しい」と予想する声もあった中、さっそくスタートダッシュに成功したのだった。

しかし『ワンダーウーマン』が本当にスゴかったのはここからである。

全米映画ランキングで2週連続首位を獲得したあとは、観客からの高評価と口コミが功を奏して集客をとことん伸ばし続け、公開3週間後の6月23日には女性監督による実写映画の世界興収記録をあっさりと更新。その翌週には『バットマン vs スーパーマン』を超えてDCEU史上最高のヒット作となり、続く7月9日には2016年の大ヒット作『デッドプール』の記録も破っている。これに『デッドプール』の米国公式Twitterが祝福のメッセージを送ったことは、もはや本作がヒーロー映画全体を巻き込んだ社会現象となったことを示しているだろう。

そして7月23日には『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』をしのぐ記録を樹立し、『ワンダーウーマン』は2017年夏に劇場公開されている映画のトップに躍り出た。これは同時に、実写版『美女と野獣』に次いで2017年公開作品第2位の興行成績を打ち立てたということでもある。

「みんなが知ってる女性ヒーロー」誕生

こうして『ワンダーウーマン』は、ハリウッドの「女性主人公・女性監督の映画はヒットしない」というジンクスを完全に覆すことに成功した。これには、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長も「最高にハッピーだ。観客は女性キャラを見たがっていない、なんてことはデタラメだと証明できた」と賞賛を送っている。

さっそうと現れた最強の女性ヒーローは、高評価と大ヒットによって苦境にあったDCEUを救い、映画史に刻まれる記録を残し、また世界中の人々に記憶される存在となった。この前例を受けて、今後のヒーロー映画に女性ヒーローが少なからず登場してくること、また女性監督の映画にも相応の予算や条件が与えられることを祈りたい。しかし『ワンダーウーマン』が成し遂げた功績とは、そういった映画界の中だけのものではないだろう。そう、女の子が見て憧れることのできる、「あんなふうになりたい」と思える女性ヒーローが、しかも世界中の誰もが知る女性ヒーローが誕生したことこそが本作最大の功績ではないだろうか。

まだ日本では、このワンダーウーマンという新ヒーローのことはあまりよく知られていない。ここまで読んだあなたも、まだヒーロー映画になじみがなかったり、ワンダーウーマンのことをまだほとんど知らないかもしれない。しかし、だからといって「映画を観て面白がれるのかな……」といった心配はまったく必要ない。彼女がどんなヒーローなのか、そしてどんな人間なのか、どんなふうに戦ってどんなふうに生きているのかということは、きちんと本作『ワンダーウーマン』が丁寧に教えてくれるのだ。ヒーローを愛する人や、ヒーローやヒロインに一度でも憧れたことがある人はもちろん、今という時代を懸命に戦って生きているすべての大人たち、そしてこれから戦うことになるすべての子どもたちに、この新たなヒーローの登場をぜひ見届けてほしい。

映画『ワンダーウーマン』は2017年8月25日(金)より全国ロードショー。Huluでは、主演のガル・ガドット、クリス・パイン、そしてパティ・ジェンキンス監督によるここでしか見られないインタビュー映像ほか、5種類のフィルムクリップ、TVスペシャル映像も公開中だ。

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© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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