マーベル初心者に贈る!『マイティ・ソー バトルロイヤル』を初めて観る前に押さえたい予習ポイントと見どころ解説

2017年11月3日より、マーベル・シネマティック・ユニバース待望の最新作『マイティ・ソー バトルロイヤル』が公開となった。とにかく笑えるとか、ロキが可愛いとか色々な評判を聞くけれど、マーベルの他の映画を観ていないとか、マイティ・ソーの映画前作を観ないと楽しめないのでは…?なんて考えている方もいらっしゃるのでは。

全く問題ない。『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、この一本だけ観たって楽しめる超おすすめ作だ。とは言っても、他のシリーズ作品や過去作品のことを知っておけばもっと楽しくなるのも事実。そこでこの記事では、マーベル映画の初心者に向けて、『マイティ・ソー バトルロイヤル』を思いっきり楽しむためのポイントと見どころをご紹介しよう。

初めての人へ!押さえておきたいポイント

アベンジャーズのメンバーを描くソロ映画は基本的に三部作構成となっている。アイアンマンも、『アイアンマン』(2008)『アイアンマン2』(2010)『アイアンマン3』(2013)が、そしてキャプテン・アメリカは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の三作がある。

マイティ・ソーの場合、物語は一作目の『マイティ・ソー』(2011)にスタートし、2013年の続編『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』を経て今回の『マイティ・ソー/バトルロイヤル』へと繋がっているのだ。

もちろんできることなら、過去二作をチェックしておくことをオススメしたいが、時間がない、手っ取り早く『バトルロイヤル』を観に行きたい!という方のために、ここでは「これだけわかれば大丈夫!」という設定だけをおさらいしておこう。

ソーとロキのもどかしい兄弟関係

『マイティ・ソー』シリーズの主人公となるソーは、神々の国アスガルドの王子。父でありアスガルドの王オーディン(映画ではアンソニー・ホプキンスが演じる)は、王子であることを鼻にかけて傲慢なソーの慢心に嘆き、地球に追放してしまう。これが一作目『マイティ・ソー』で描かれるドラマだ。ソーは地球で数々の仲間たちと出会い、ロマンスもあり、地球でヒーローとして目覚める。後には『アベンジャーズ』への参加も果たしている。

©2014 MARVEL

そんなソーには、ロキという名の義理の弟がいる。ロキはアスガルドとは敵対関係にあたる氷の巨人、ラファエルの子。オーディンは、まだ赤子だったころのロキを養子として引き取り、平和の象徴としてソーと共に育てていた。そんなロキは幼いころより兄ソーに対して影のような存在で、嫉妬心が深く、嘘を重ねて周囲の混乱を招くヴィランとなる。”長いものには巻かれろ”体質をとことん貫くロキは、『アベンジャーズ』では地球侵略を目論む宇宙人チタウリと手を組んでアベンジャーズや地球を襲った。前作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』ではアスガルドを襲った敵と相打ちになって死亡した…と思いきや、実は生存しており、そればかりかオーディンに化けてアスガルドの王としての生活を謳歌していたのである。

ソーとロキは共に育った兄弟ながら、敵対関係にあることが多かったのだ。あくまで兄として義理と正義を貫こうとするソーと、それをあざ笑い、裏切り、でもどこか寂しげな顔も見せながら、その想いすら嘘かもわからないというトリックスターのロキ。二人の関係性を理解しておけば、『バトルロイヤル』がより味わい深くなる。

マイティ・ソーの能力

マイティ・ソーの世界は、すべて北欧神話に基いている。ソーのモデルとなったのは雷神で、日本ではしばしばトールと表記される。
ソーの武器は、魔法のハンマー・ムジョルニア。これはソーだけが持ち上げられるハンマーで、逆に言えばソーが持ち上げない限り、下敷きにしたものを永久に押さえつけておくことができる。また、世界のどこにあってもソーが手を開けばその手元に飛んでくる。これを利用してソーはムジョルニアをブーメランのように投げて攻撃したり、ピンチの場面でムジョルニアを手元に呼び寄せて戦ったりできる。

©2014 MARVEL

また雷神と呼ばれるだけあって雷を操れるソーは、ムジョルニアを介して稲妻による攻撃を加えることもできる。基本的に、ハンマーと雷で闘うヒーローと言えるのだ。(その自慢のハンマーが、『バトルロイヤル』では敵のヘラにあっさり破壊されてしまう。果たして武器を失ったソーはどうやって闘うのか…?)

ハルクの葛藤

『マイティ・ソー バトルロイヤル』もう一人の主人公となるのが、アベンジャーズ最強の怪力を誇るハルクだ。ハルクの正体はブルース・バナー博士という名の天才物理学者。実験の事故により、怒りの感情が高ぶるとハルクと化して暴走してしまうという二重人格になってしまった。ひとたびハルクになると制御が効かず、アベンジャーズの仲間さえも攻撃してしまう爆弾のような存在で、ブルース・バナーはそんな自身の危険性に強い責任と罪悪感を抱き、長らく悩んできた。

ただしハルクはアベンジャーズの戦力としては最強クラスで、『アベンジャーズ』ではヴィランのロキをボッコボコにしていた。そのトラウマから、ロキはハルクをとても怖がっているということもポイントとして押さえておこう。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』3つの見どころ

マイティ・ソーの基本をおさえたところで、ここからは『マイティ・ソー バトルロイヤル』で見どころとしてオススメしたい3つのポイントをご紹介したい。

ドクター・ストレンジとの共演

©2017 MARVEL

マーベル映画の最大の魅力の一つといえば、何と言っても他のヒーローとの大胆な共演だ。『マイティ・ソー バトルロイヤル』ではアベンジャーズでもお馴染みの緑の巨人、ハルクも登場するが、それだけではない。ベネディクト・カンバーバッチ主演、幻想的なアクションが大きな話題をさらった『ドクター・ストレンジ』からドクター・ストレンジその人が登場する。地球の外アスガルドで神としてのパワーを司るソーと、ソーサラー・スプリームとして魔術を極めたことにより超常現象を司るストレンジ。大胆かつ能天気なソーと、上から目線のストレンジがどう共演を果たすのか、楽しみにして欲しい。ストレンジの不思議な魔力に理解が追いつかず振り回されるソーのお茶目な姿と、お構いなしにマイペースなストレンジの掛け合いは思わず笑いがこぼれてしまうだろう。

Huluで『ドクター・ストレンジ』を観る

全編にわたるギャグシーンのオンパレード

マーベル・ファンが今作『バトルロイヤル』を評価できる最大の理由として挙げられるのが、コメディへの華麗な転身だ。

マイティ・ソー・シリーズの前二作はファンタジー作品としての色が強く、荘厳な世界観はマイティ・ソーの神話性を高めていた一方で、「重苦しい」という声も決して少なくなかった。

しかし『バトルロイヤル』では、そんなイメージを完全に払拭し、とにかく笑えるコメディ要素をたっぷりと取り入れているのだ。これを手掛けたのは、ニュージーラン出身の気鋭の監督、タイカ・ワイティティ。低予算のゆるくてマイペースなコメディ映画を得意としていて、ニュージーランドの機内安全ビデオを手掛けた際は『ロード・オブ・ザ・リング』をパロディして話題をさらった。マーベル作品では、今作『バトルロイヤル』に先駆け、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に登場しなかったソーがその間、オーストラリアで悠々自適のルームシェア生活を送っていたという、これまたゆるすぎる短編映像『チーム・ソー』も手がけている。

『バトルロイヤル』では、タイカ・ワイティティのコメディセンスが、お腹いっぱい楽しめるほど炸裂している。笑えるシーンを必ず含むことで知られるマーベル作品だが、今作のコメディっぷりはシリーズ随一だ。同じく「ギャラクシー・コメディ」っぷりを見せてくれた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズも評判だが、あちらがアメリカンな笑いを取り扱うとすれば、ワイティティ監督の『バトルロイヤル』は独特の”間”がシュールな笑いを誘う。語弊があるかもしれないが、日本のお笑いの空気感にも通ずるものがあるような気もするのだ。

中でも筆者が特に推したいキャラクターは、石の塊のような姿のコーグ。監督曰く「ニュージーランドのマオリ族」がモデルだというこのキャラクター、『ファンタスティック・フォー』のザ・シングのようなイカツい外見なたら、“そのへんのオッチャン”のようなゆるい声とノリのギャップがたまらない。存在自体がボケのようになっているのだ。英語版では、タイカ・ワイティティ監督自身が声優を務めている。

とにかく「コメディ映画を観に行く」といった気軽な感覚で是非劇場に出かけてみて欲しい。

『アベンジャーズ』につながる世界

マーベル作品はそれぞれが複雑に絡みあっているのが醍醐味だが、全て理解していなくても全く構わない。でも、『バトルロイヤル』がシリーズの中でどのあたりに位置する物語なのかを何となく理解しておけば、『バトルロイヤル』がより楽しめるはずだ。

ソーやハルク、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンなどなど、様々なヒーローが集結するアベンジャーズは、2016年の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で仲間割れを起こして対立していた。この映画でチーム・アイアンマンとチーム・キャプテン・アメリカが禁断の大決闘を繰り広げていたのだけど、その戦いにソーとハルクは参加していなかったのだ。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、アベンジャーズの映画第二弾『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のおよそ二年後が舞台。『エイジ・オブ・ウルトロン』ではトニー・スターク(アイアンマン)が作ったウルトロンというドロイドが人類滅亡を図って反逆を起こし、ソーとハルクもこの戦いに参加していたのだけれど、戦いの最後にハルクは全てを投げ出して、クインジェットという名のアベンジャーズ用戦闘機に乗って一人どこかに飛び立っている。同じくソーも自分のなすべきことをすべく旅に出ていた。『バトルロイヤル』はそれから二年後を描くというわけだ。

Huluで『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を観る

そして『バトルロイヤル』は、2018年4月27日公開予定の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へ繋がる。『インフィニティ・ウォー』では、アベンジャーズにドクター・ストレンジやガーディアンズ・オブ・ギャラクシーも合流し、マーベル・シネマティック・ユニバースに登場したすべてのヒーローが集結し、銀河最強の敵サノスと闘う。ここに至るまで、ソーとハルクはいかにして”レベルアップ”を果たすのか?『バトルロイヤル』で描かれるソーの冒険と戦いは、続く『インフィニティ・ウォー』を語る上で外せないものとなるだろう。

また『バトルロイヤル』では、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』などで起こった出来事に直接言及するシーンもある。こちらもチェックしておけば、細かなネタにもニヤリとできるだろう。


以上が『マイティ・ソー バトルロイヤル』を観る上で初心者の方にお伝えしたいおすすめポイントだ。マーベル・シネマティック・ユニバースはシリーズの他作品が多いため、追いかけていない方にとってはちょっと気乗りしないことがあるかもしれないが、本作はそんな杞憂をスカッと吹き飛ばすほど、バトル・コメディとしての魅力が輝いている。なんとなく『アベンジャーズ』は観たことがあるけど、マイティ・ソーの前二作は観ていない…という方でも全く問題ない。驚きと興奮、そして笑いがギッシリ詰まった『マイティ・ソー バトルロイヤル』を、劇場の大画面で全身で体感して欲しい。

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は2017年11月3日(金)より絶賛公開中。Huluでは、シリーズ前二作『マイティ・ソー』『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』と『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を2017年11月1日(水)〜11月30日(木)の期間限定で、また共演が見どころの『ドクター・ストレンジ』を2017年11月1日(水)〜12月15日(金)の期間限定で配信中だ。

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