【初めて観る前に】初心者の方に絶対伝えたい『ブレードランナー』のとんでもなくスゴいところ3つ

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映画『ブレードランナー』といえば、泣く子も黙るサイバーパンク映画の金字塔で、独特かつ強烈な世界観を持った映画です。

この記事の執筆にあたり悩んだ結果、ネット上で山ほど読める評論や解説と同じようなものを書いても仕方がないと考えまして、私なりの切り口で『ブレードランナー』のスゴさや楽しさを紹介できればと思いキーを叩いております。2017年10月27日公開の新作『ブレードランナー2049』の予習として、初めてご覧になる方に参考にしていただければ幸いです!

初めての方に伝えたい、ブレードランナーのスゴいところ

早速ですが、私が考える『ブレードランナー』のスゴさは以下の3つです。

  1. ハリソン・フォードのかっこよさ
  2. 『ブレードランナー』が影響を与えたクリエイター達
  3. 作品にちりばめられたミスリードと物語の謎

初心者のアナタへ:そもそもブレードランナーって?

『ブレードランナー』は1982年公開のアメリカ映画。舞台は2019年のロサンゼルス、脱走したレプリカント(アンドロイド)を排除せよという命令を下されたブレードランナー(賞金稼ぎ)、デッカード(ハリソン・フォード)の物語です。
徹底した独特の未来世界の描写(サイバーパンク)と、「アンドロイドは命を得ることができるのか、命とはなんだろうか」という主題を持った作品で、たくさんの謎が盛り込まれており、世界中に熱狂的なファンが存在します。

なおこの映画、公開前の試写用のバージョンも含めると5つのバージョンがある、ということも大きな特徴となっています。(Huluではそのうち2つが視聴できる!)

ハリソン・フォード(デッカード)のカッコよさ

この作品について書かせていただくにあたり、私はどうしてもハリソン・フォードのかっこよさを、真っ先にお伝えしなければなりません。

ハリソンといえば「ニヒルで粗暴で男くさい感じ」がたまらないのですが、この作品はハードボイルド的な要素もふんだんに盛り込まれていますので、若き日のカッコよさがさらに際立つ作品に仕上がっています。

当時は『スター・ウォーズ』や『インディー・ジョーンズ』シリーズなどに出演して超売れっ子だったハリソンの、それらの作品とはまた違った魅力が満載なのです。

全編にわたるハリソンのカッコよさ

最近のうら若き女性の間でもハリソン・フォードのファンは多いと聞きますが、この作品のハリソン・フォードは別格のかっこよさではないかと私は感じています。

全身の力をのせたような独特なパンチ。
銃を構えるときのきりっとした顔つき、目線もたまらない!

どんなシーンでも絵になっているというと大げさですが、雨に濡れる、走る、物を食べる、寝る、その他もろもろ全部カッコいいので、ぜひご注目いただきたい。いやでもカッコいいと思うはずです。

ラブシーンが「とてつもなく」カッコいい

中盤あたりにヒロインのレイチェルとのラブシーンがあるのですが、はじめて見たとき私は雷に打たれたような衝撃を受けました。

自分の生い立ちを思い、悲しみをこらえきれずその場を立ち去ろうとするレイチェル、デッカードは彼女を荒っぽく引き留め、こう言います。

「キスしてと言え(Say Kiss me)」

…分かりますか、わかっていただけますか!
こんなこと言えるか!?「キスをしろ」でもない「キスしてやる」でもない、「キスしてと言え」!

なんというセリフだ。
男性諸氏。女性にこんなセリフを言えますか?
若き日に私は心に誓いました。いつかこのセリフをハリソンのようにカッコよく言えるようになろうと。
※なお20年以上経っても誓っただけになっております。

ともかく味わい深いシーンですから、ぜひ観て頂きたい。
BGMも最高の雰囲気ですし、私の中では古今東西No.1のラブシーンとして心に刻まれています。

『ブレードランナー』は全編通じてハリソン・フォードのハードボイルドで男くさいかっこよさが際立っておりますので、それだけ見たい!っていうことでも鑑賞に堪えうる映画です!
※なお、ハリソン・フォード当人は、これまでの出演作品で『ブレードランナー』が一番過酷な撮影だったと語っているそうです。

影響を与えたクリエイターや作品がスゴい!

『ブレードランナー』という映画は、そのテーマ性や世界観の作りこみ、設定など様々な面でたくさんのクリエイターに影響を与え、子供と呼べる作品、さらにそこから孫的な作品までが生まれています。

この映画がどういったクリエイターや作品に影響を与えたかということを、少しばかりご紹介します。

 押井守『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995)

日本の映画監督である押井守氏も、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』において、『ブレードランナー』の映画としての主題である、「機械に命は宿るのか、命とは何か」というテーマを取り入れました。未来都市の描写においても色濃く影響を受けています。

押井監督はこう言っています、「(『ブレードランナー』は)そこをくぐらないと決して先には行けない、たったひとつの門」と。(※1)

なお、押井守氏の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に影響を受けて作られたのが、ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』(1999)です。(※2)マトリックスは『ブレードランナー』の孫にあたるとも言えるでしょう。

※1:http://common-chaser.tumblr.com/post/116913007182/%E6%8A%BC%E4%BA%95%E5%AE%88%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B-%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%98%A0%E7%94%BB
※2:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

小島秀夫『スナッチャー』(1988)

『メタルギアソリッド』で世界的なゲームクリエイターとなった小島秀夫氏の若き日の作品で、『ブレードランナー』に対しての超リスペクト作です。(※3)

この前年に彼が制作したのが、代表作『メタルギアソリッド』の第1作目となる『メタルギア』(MSX版/1987)で、スナッチャーでは『ブレードランナー』に影響を受けながら、ゲームに映画的な手法を取り入れることに挑戦しました。
この2つの要素を合わせて生まれたのが彼の代表作「メタルギアソリッドシリーズ」になります。

すなわち、『ブレードランナー』がなければ、映画的表現を進化させたゲームとして世界的に評価が高い『メタルギアソリッド』は生まれていなかったかもしれません。

※3:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC

Google社 ネクサスシリーズ

Google社から販売されているスマホタブレットの「ネクサス」シリーズがありますよね。

これは、『ブレードランナー』の劇中に出てくるレプリカントの型式名称「Nexus」から名前をつけたものなんだそうです!こんなところにも影響を与えているんですね…。(※4)
実はこの件、『ブレードランナー』原作者の家族がGoogleを訴える裁判沙汰にもなりました。
※原作は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」という小説です。

その他にも本当にたくさんの作品が『ブレードランナー』に影響を受けており、直接的オマージュの作品(子供世代)から孫世代にオマージュが広がり、すべてを追うことができない数の作品に影響を与えています。
漫画「GANTZ」に出てくる「ネギだけで十分ですよ」というセリフも、『ブレードランナー』リスペクトだとか!(※

『ブレードランナー』を観たときに「あー、どこかで前に見たことあるなぁ」という感想を持ったら、実は後から作られた「『ブレードランナー』から影響を受けた作品」を先に観ていただけ、と思って良いでしょう!

※4:https://wired.jp/2009/12/17/google%E3%81%AE%E3%80%8Enexus-one%E3%80%8F%E3%81%AF%E3%80%8E%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%80%8F%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E4%BE%B5%E5%AE%B3%EF%BC%9F/
※5:https://ja.wikipedia.org/wiki/GANTZ#.E3.81.AD.E3.81.8E.E6.98.9F.E4.BA.BA.E7.B7.A8

ミスリードと物語の謎がスゴい!

最後に、ちょっとだけ作品の内容にも触れておきたいと思います。

世界観の描写や筋書きはもちろん素晴らしいものではあるのですが、この作品には様々な憶測を呼んだセリフやシーンがあります。

それらは意図的なもの、または間違えて入れてしまったものをファンがミスリードしてしまったなど様々あるのですが、それらに関する議論も大変に盛り上がりました。

せっかくなので、いくつかを簡単にご紹介しましょう。

その1:「6人のレプリカントのうち1人は死んだ」と「ふたつで十分ですよ」の謎

作品序盤に、デッカードは「6人のレプリカントのうち1人は死んだ」ことを告げられ、残りの5体を見つけて処理しろということを依頼されます。

また別のシーンにおいて、デッカードがうどん屋に立ち寄った際に、

デッカード:「4つくれ」
うどん屋:「2つで十分ですよ」

というやり取りがあります。

この2つのセリフがファンの間では考察の対象となっていました。

まず、デッカードは、この映画が終わるまでに4体のレプリカントしか処理しません。
「残りの1人はどこいったんだ?」という疑問に対し、うどん屋の「2つで十分ですよ」というセリフがなにかを暗示しているに違いない!ということで、様々な憶測や議論が起こっていました。

ファンたちは長い間、いろいろなシーンや状況から考えられる・読み取れる内容について議論をしていましたが、実は制作側の単なるミスだったそうで、レプリカントの人数合わせについては、ファイナルカット版でセリフが変更され、「2人は死んだ」になり決着してしまいました…。
(※日本語吹き替えではバージョンにかかわらず「2人は死んだ」というセリフになっている場合があります)

それから「2つで十分ですよ」は、「うどんの具のえびは2つで十分ですよ」というのが正解というのがここ数年で明らかになったようです。長きにわたってミスリードされ議論されてきた謎の正解がうどんの具の数だったとは!

その2:デッカードはレプリカントなの?

この映画を見終わった時に多くの方が抱く疑問が、「あれ?デッカードってひょっとしてレプリカント?」になるでしょう。

これは実際に本編を見て各々ご自身で考えてみてほしいのですが、ポイントはこの2点。

  • ユニコーンの夢とユニコーンの折り紙(夢は「ディレクターズカット」以降で追加されたシーン)
  • オレンジ色に光る眼

『ブレードランナー』には5つのバージョンが存在しているということは前述の通りですが、バージョンが進むにつれて、解釈が明確にできるようなシーンが追加になったり、逆に余計だと判断されたシーンが削られたり、先ほどのようにセリフが修正されたりしています。

リドリー・スコット監督が、この作品に対してどういう風に考えを巡らせたのか、どういう結論にしたいのかということも、この辺りで見え隠れするわけです。

『ブレードランナー2049』が楽しみな理由

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先ほどの疑問「デッカードはレプリカントなのか」については明確に答えが語られておらず、『ブレードランナー2049』で何か明らかになるのかとても楽しみです。(個人的にはレイチェルは登場するか?というポイントもとても楽しみ。)

現在Huluでも配信中のオリジナル版やディレクターズカット版にファイナルカット版、それから先日発表になった、渡辺信一郎監督による前談アニメ『ブレードランナー ブラックアウト2022』などを観つつ、楽しみに待ちましょう!

映画『ブレードランナー 2049』は2017年10月27日より公開。Huluでは、第一作『ブレードランナー』のオリジナル版(字幕/吹替)、ディレクターズカット/最終版(字幕)、ファイナル·カット版(字幕/吹替)を配信中。さらに“2022年”に起こった大停電を描いた短編アニメーション『ブレードランナー ブラックアウト2022』と、9月27日(水)に開催された渡辺監督登壇イベントの模様も配信中だ。

『ブレードランナー』配信情報

『ブレードランナー』

オリジナル版(字幕/吹替)
ディレクターズカット/最終版(字幕)
ファイナル·カット版(字幕/吹替)
※権利上の都合により、一部字幕版と吹替版のバージョンが異なります。
URL : https://www.happyon.jp/blade-runner

『ブレードランナー 2049』 

予告編 配信中
URL : https://www.happyon.jp/blade-runner-2049

『ブレードランナー ブラックアウト2022』 

URL : https://www.happyon.jp/blade-runner-2049

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